奈良・薬師寺 東塔の「水煙」に酔う。
○ 創建当時の美を現在に伝える奈良・薬師寺の東塔は、凛とした姿
から“凍れる音楽”と称賛されている。
写真下:若草山を背景にした薬師寺(右から東塔、西塔、金堂)
○ 東塔は、1300年の歳月と自然災害で傷みが激しい為、現在、史上初の全面解体修理が行われている。(解体修理は110年振り。2018年度の完成予定)
○ その東塔の美を象徴するのが、高さ約34㍍の塔上を飾る「水煙」だ。
今、塔上に聳える金属の装飾「相輪」を含め、「水煙」が地上に下ろされ、
公開中で(11月末まで)、昨日(6日)観に行ってきた。
2㍍近い青銅製。火事や災
害を避ける為のお守りといえ
る部分で、東塔の「水煙」は、
その華やかな意匠と精巧な
細工から芸術的な価値が高
い。火焔の形をした飛雲が
レースのように透かし彫りに
され、その間を24人の天人
が散華し、笛を奏でながら
軽やかに舞う。1300年前の
職人の技巧に圧倒される。
○ 写真右:「相輪」の全容と
各部名称。
○ 塔上にある「相輪」は、
水煙を含め高さは約10㍍、
重さは約3トン。
○ 支柱最下部には、
「東塔檫銘」と称する建立発
願の趣旨が刻まれている。
○ 薬師寺伽藍の中で、最古の建築物である東塔の魅力に惹かれ、明治以降、多くの文化人が訪れて随筆や歌を残している。
最後に、会津八一 の 詠える
“すいえん の あまつ をとめ が ころもで の
ひまにも すめる あき の そら かな”
おわり
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