不空羂索観音立像 再見
〇 11月6日、正倉院展を観に奈良を訪れた。会場へ行く
前に、毎年 東大寺周辺を散策するのだが、今年は修理を
終へた法華堂を拝観することとした。
〇 法華堂は、須弥壇及び諸尊像修理の為、平成22年度から
拝観を中止してゐたのだが、本年1月に略修復を終へ、5月
18日から拝観を再開した。
〇 上の写真2枚では判り難いが、現在安置されてゐる諸尊像
は、本尊の不空羂索観音菩薩、梵天、帝釈天、金剛力士
(阿吽)、四天王、執金剛神(秘仏)の10躰。
〇 本尊の両脇にあった日光・月光菩薩、弁財天、吉祥天、
地蔵菩薩、不動明王の6躰は、免震構造の東大寺ミュー
ジアムに安置、公開されてゐる。
〇 薄暗い堂内での写真撮影が不可な為、下の写真2枚は
法華堂パンフからのものだが、堂内の光線を極度に抑へ
てゐるのでこの写真のやうには細部の様子を見ることは
できない。昨秋、東大寺ミュージアムで間近かに鑑賞し
得た頭上の宝冠も暗くてよく見えない。
(宝冠の素晴らしさについては、昨年11月1日付エン
トリー:天平文化に酔ふ。その1.をご参照)
〇 この度の修理事業で分かった新事実(収獲)は、今は
大仏殿西側の戒壇堂にある「四天王」像が、嘗ては法華堂
にあったこと、日光・月光両菩薩像は後世に他の堂から持
ち込まれた客仏だったとの通説を覆し、もともと眷属と
して本尊の両脇に立ってゐた可能性が強まったことである。
〇 嘗ては、本尊「不空羂索観音」立像の周りは、裏側に
ある「執金剛神」の他に、前記「四天王」像、「日光・
月光両菩薩」像を加へた7躰が、立像をぐるっと取り囲んで
ゐた......。そんな堂内の様子を想像しながら、静かに座して
本尊と対面した。
をはり
《追記》 記事・写真:平成25.12.30付読売新聞(朝刊)より。
〇 東京芸術大学の研究チームは、法華堂の創建時の堂内を
コンピューターグラフィックス(CG)で復元した。金色に
輝く本尊・不空羂索観音立像を中心に日光・月光両菩薩立
像、四天王立像など7体が囲む創建当時の荘厳な様子を
写真の上でクリックすると画面一杯に拡大します。
をはり
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