正倉院展を観る。
○ 昨日(10月26日)、正倉院展を鑑賞した。本年の出陳宝物は、
63件(初出陳12件)であった。小生の趣味である囲碁関連の宝物の
出陳はなかった。
○ 宗教心の希薄な小生にとって、目につくのは聖武天皇のご遺愛品
や工芸的に優れた宝物だった。
その1.紫檀木画槽琵琶(したんもくがのそうびわ)
裏面 表面 裏面の一部拡大
茄子のような形の胴に、4本の弦が張られてゐる。裏面は、紫檀の木や象牙
などを組み合はせて花の文様を作ってゐる。現代でも通用しさうなモダンな
デザイン。とても、1260年以上前のものとは思へない。
その2.彫石尺八 彫石横笛(ちょうせきのしゃくはち、よこぶえ)
彫石尺八
聖武天皇のご遺愛品。両品とも、蛇紋岩といふ石から作られてゐる。
石製なのに、節を表はし竹製に見せかけてゐる。胴はどうして
刳り貫いたのか。表面の指孔の周りを花びらで飾り、胴には花や鳥を
彫刻するなど、隅々まで細かな装飾が施されてゐる。
(写真の上でクリックすると拡大され、当時の職人の技巧がよく解る。)
その3.紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく)
部 分 (左:表 右:裏)
象牙を紅色に染めた物差し。撥ね彫りして緑を塗ってゐる。表側は
唐花文と瑞鳥を交互に描き、裏は雲や蓮華などの他、飛天を表はして
ゐる。めでたい文様を集めて理想郷を表現しやうとしたのか。
長さ:29.7cm 幅:2.3cm
≪余談≫
○ 全国からの観覧客で、例年かなりの時間待ちを要する正倉院展
だが、今年は若干並んでゐるだけで空いてゐた。(午後4時過ぎ)
○ その代りか、東大寺南大門に通ずる土産物店の連なる通りは、
外国語が飛び交ひ、中・韓の観光客でごった返してゐた。3年前は、
両国との政情悪化で中・韓人は皆無だったのに。
・ をはり
・
・
« 唐招提寺に憩ふ。 | トップページ | 明眸皓歯 永遠の大スター 原 節子さん逝く。 »
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 史上初の全面解体修理を終えた薬師寺東塔を見る。(2020.09.07)
- 宮城まり子さんを偲ぶ。(2020.03.26)
- 御即位記念 第71回 正倉院展を観る。(2019.11.01)
- 300年振りに再建された興福寺中金堂 と 第70回正倉院展を観る。(2018.11.11)
- 東大寺 東塔(七重の塔)再建の夢。(2017.11.07)
i今川弥吉様
ご無沙汰しております。以前、弊ブログの「中国の防空識別圏」にコメントを頂いた
笑うオヒョウこと 赤井芳弘です。 ご指摘頂いた 「耳障りのよい」という表現の不適切さについて、反省しております。訂正が甚だ遅くなりましたが、「耳に心地よい」という表現に改めさせていただきました。 ご指摘に深謝します。 これからも「耳に痛い」コメントをお願いします。
投稿: 笑うオヒョウ こと 赤井芳弘 | 2015年11月23日 (月) 23時58分