キトラ古墳壁画の第2回公開。
○ 1月23日、奈良県明日香村の特別史跡キトラ古墳壁画の第2回特別
公開に参加した。昨年9、10月の壁画「朱雀」「白虎」「天文図」の公開に
続き、今回は北壁の「玄武」の公開だった。
同時期に描かれた高松塚古墳の玄武は、亀と蛇の頭部が削られ図像
が判然としないが、キトラ古墳の玄武(写真下)は、略、完全な姿で残って
いる。
写真下:キトラ古墳壁画体験館 四神の館内の壁に映写された玄武。
写真下:公開展示室に展示された北壁の実物(撮影不可の為、パンフより)
写真下:北壁図像配置図(上の写真では判然としないが、四神の下には
3体ずつ、頭は獣、体は人間の姿をした十二支が描かれている。損傷が
激しく不鮮明で実物を見ても肉眼では不明。) (パンフより)
○ 石室内からは、木棺飾り金具、刀装具、玉類(展示品)の他に、被葬
者の人骨と歯牙も出土し、分析で50~60歳代の男性1体分のものと
分かっている。
○ キトラ古墳は、7世紀末期~8世紀初期に造られたもので、中国・
朝鮮の文化的影響を受けた貴重な遺産である。33年前に発見されて
からの基本動作・対応が甘く、石室内の彩色壁画の劣化変質を来たし
た。(高松塚なども同じ) 保存完了までに時間がかかり過ぎた憾みは
あるが、今後の初動・判断の大切さを教えられた貴重な経験となった。
<参考> 第1回公開の 「朱雀」、「白虎」。
南壁の朱雀(写真右上は盗掘時の侵入取壊し穴。辛うじて朱雀は残った)
「白虎」
写真下:東壁 青龍の下にある3体の十二支(寅・卯・辰)の中の寅の線刻。
おわり
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