東大寺 東塔(七重の塔)再建の夢。
○ 平成29年11月6日、正倉院展を観賞に奈良へ行った。客足の減る
午後4時過ぎに会場(奈良国立博物館)へ入る迄、1時間ほど
余裕があったので、散策がてら、東大寺の東塔史跡や相輪
レプリカを観に行った。
大仏殿周辺案内図 (東塔跡は、右下隅の緑色で表示した所、
相輪レプリカは、東塔跡の左斜め上)
案内図の上で、クリックすると、拡大図になります。
○ 平安時代の記録によると、東大寺には8世紀半ばに100m級
の巨大な東塔と西塔が建てられた。その後、平安中期に西塔を
焼失。1180年には平重衡による南都焼き打ちで東塔も焼失。
東塔は鎌倉時代に再建されたが、1362年に落雷で焼失し基壇
の跡だけが残って現在に至った。
◎奈良時代の東大寺の復元模型(東大寺蔵)
○ 現在の大仏殿(模型の中央)の高さが約46mだから、その2 倍前後の高い塔が両脇に建っていたのだ。実(まこと)に、想像
を超える風景ではある。
○ 既に、東塔跡の発掘調査が進み、塔の土台(基壇)の規模を
確認し、1階の柱の間隔や、塔に入る石段の位置が判明し、建
物の実像が解明されてきた。昨年には塔の瓦が出土したりして
次第に三度目の再建期待が高まってきている。
写真下:東塔跡(2015年の調査)
写真下: 2017年11.06現在の東塔跡地
の大阪万博に出展した古河グループ。パビリオンに高さ86mの
レプリカを建てた。実物と同様、頂には金属製の飾りの相輪
(23m)を掲げた。塔は万博終了後に解体。相輪だけは、東大寺
に寄贈され、大仏殿の東南回廊脇に立派な台座を設え、今も燦
然と輝き、大仏殿を見つめている。(古河グループが昨年、洋金
粉の吹付けを行ない改装した。)
大阪万博に於ける古河グループのパビリオン(写真中央)
写真下: 相輪の台座脇の「相輪由緒書き」案内金属板。
写真の上で、クリックすると拡大します。
優れた七重塔が大地に湧出する日を宿願とする」と結ばれている。
○ 東塔の再建の機運は熟しつつあるが、こんな大伽藍を創建時
と同じ高さ100mの木造七重の塔として建築可能なものか。
○ 自然災害に抗すべくもない現状から見れば、不可能だろう。
大地震や台風災害にも耐えられる建築技術、材料、工法を加える
必要があろう。
○ 遠い将来には、西塔の再建も成し遂げ、金堂(大仏殿)を中心と
した、天平文化の昇華した東大寺一大伽藍が完成することを夢と
したい。
おわり
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