早春の雨に烟る二上山
令和2年3月4日
写真上:小雨に烟る二上山 (太子町の拙宅庭で午前11時41分)
〇 明日は冬籠りの虫が這い出る“啓蟄”なのに、朝から肌寒い。
〇 早春の小雨のなか、靄に烟る二上山も中々趣がある。思わず
カメラを向けた。
尚、余談乍、
〇 二上山は、万葉集に「ふたかみやま」と詠まれ、様々な歴史の
エピソードに彩られた著名な山である。古代、謀反の疑いで非業
の死を遂げた大津皇子(おおつのみこ)の墓が雄岳の頂上にある
ことでも知られる。
〇 二上山は死火山だが、火山活動によって出来た岩石は、古代
以前から日本人の生活に多大な役割を果してきた。割ると鋭い
刃物状になるサヌカイト石は、石器の原材料として利用された。
また、凝灰岩は、古墳時代に家形石棺に利用された。金剛砂は、
現在でもサンドペーパーなどの研磨材として利用されている。
〇 そして何と言っても飛鳥人にとって、西方に聳える霊山だった
ことである。雄岳・雌岳の間に日が沈む様子から神聖な山岳として
崇められてきたことである。
〇 また、遣隋使や遣唐使は、命がけで海を渡り、命がけで帰国して
瀬戸内から大阪湾に入り、遥か東方茅渟の海の彼方に二上山の姿
を眺めて、やっと懐かしい日本に帰還出来たことを実感したのである。
おわり
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