村山聖八段 (’98)平成10年2月28日 NHK杯決勝戦 (対羽生戦)

この対局より半月前の2月13日にA級復帰を決めた村山は19日に広島へ帰ったが、そこで村山を待ち受けていたのは癌、再発の宣言であった。大阪に戻った村山は誰にも相談することなく、次期の休場を決意する。癌の再発は誰にも知られたくなかった。 そしてこの対局。

 3月に入り村山は5局の将棋を指している。森下との竜王戦、青野との順位戦最終局、日浦との王位戦、森内との棋聖戦、木村との王位戦。その5局を村山は全勝する。
 病躯に鞭打つように最後の力を、精神力を振りしぼって村山は五つの美しい宝石を作り上げ、そして忽然と東京将棋会館から姿を消した。