平成10年2月28日。第47回NHK杯トーナメント決勝戦で、最大のライバル羽生善治と相まみえた。 (追悼号 P.158)  後日全国に放映されたこの対戦が、羽生との最後の対局となった。
 
 それから半年も経たない8月8日午後零時過ぎ、広島市民病院の名札のない特別室。遠のく意識の中で将棋の棋譜を諳んじていた聖。 「8六歩、同歩、8五歩・・・」
 そして、その声は「2七銀」で突然に止まった。

 村山聖の死後、9月11日には東京で追悼の集会が行なわれた。東京の大半の棋士が集まった。

 スピーチに立った羽生は言った。「村山さんと同時代で ともに戦えたことを私は心から光栄に思います」 
それは、ここに居合わせた すべての棋士の代弁であった。